寺崎央「癌一髪」: ハッチのライブラリーⅡ読むスピードも読解読力も衰えがちなこのごろ、でも、読むことはいつも好き。 本があって猫がいれば、それで幸せ。 そんな八ヶ岳からの読書日記です。 雑誌の世界で寺崎央を知らない人間はモグリといわれるほどの有名人。 「平凡パンチ」で活躍した後「ポパイ」「ブルータス」などの創刊エディターとして名を轟かせた。 映画、文学、クルマ、旅行、食、ファッション、スポーツ・・とにかくあらゆるジャンルに深い知識を持つ編集者だ。 もちろんすこぶるエネルギッシュ。 これまで病気をしたことがない。もちろん入院したこともない。 そんな彼が、癌になった。 それも肝臓癌のステージⅢ。末期だというではないか。 寺崎央ではなく、この「癌一髪」の主人公はあえて名前を変えてある。 その名も、花咲比呂志。 だから以下は比呂志と書くことに。 ある日、38,6度という高熱に見舞われた。 最初は風邪だといわれたが、治らない。右脇腹も痛む。
