注目高まる生物多様性 地球環境問題解決に向けた国際的取り組みとして誰しも頭に浮かぶのは、地球温暖化対策である。その中心となる枠組みを定めたのが1997年にわが国の京都で開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)であり、同会議においてCO2排出量に関する2012年までの削減目標とその実現に向けた排出量取引制度等が定められた。CO2削減目標に関しては、その後、2008年に開催された洞爺湖サミットの主要テーマに取り上げられ、2012年以降の枠組み、いわゆる「ポスト京都議定書」に関する議論が行われた。京都議定書で定められた目標の達成可能性や洞爺湖サミットの成果については、さまざまな評価がなされているが、一連の国際的枠組みの議論を一つの契機として、環境問題が企業戦略における重要なテーマに台頭するとともに、環境問題に対する国民の意識が急速に浸透していったことは間違いのないところであろう。