【編集委員・中村俊介】沖縄県南城市のサキタリ洞遺跡で今年出土した土器が、約8千年前(縄文時代早期)の沖縄最古の土器であると、沖縄県立博物館・美術館が確認した。同館が21日、発表した。この時期の沖縄地方に、確実に人類が存在したことを裏づける。謎の多い南西諸島の先史時代や日本人の起源を解き明かす発見だ。 土器はいずれも破片で20点ほど。最大で約15センチ。表面には、へら状の工具を押しつけた「押引文(おしびきもん)」がある。地表から約2・5メートルの層から出土した。 一緒にあったカタツムリの殻を放射性炭素年代測定で測ったところ、約8千年前の数値が出た。出土層のすぐ上には5千年近く前の条痕文(じょうこんもん)土器の層があり、それより確実に古いという。これまで出土状況が明確な沖縄最古の土器は約6千~7千年前の南島爪形文(つめがたもん)土器や無文土器だった。