◆『春の雪』監督:行定勲/2005年/日本/151分 予想以上に良い出来だった。三島の熱烈ファンで、若尾文子のファンでもあるので、この映画は絶対に見逃せない。『春の雪』は、三島の小説のなかでも特に好きな作品なので、これがどんなふうに映画になるのかが気になった。 『春の雪』はタイトルにある「雪」の場面がとても印象的なのだが、映画でも雪の降る場面がよくできていた。ラストで、清顕が月修寺に向かう途中の階段で倒れてしまう。この時、清顕は血を吐く。それと同時に雪が降り始め、清顕の血に染まった手の平に雪が舞い落ちてくる瞬間がすばらしい。血の「赤」と雪の「白」が交わる瞬間は、いろいろなことを想像させる(どうでもいい深読みがしたくなるほどだ)。非常に象徴的なシーンだった。 それから原作にはない百人一首のモチーフを取り入れたことは、この映画にとって良かったのではないかと思う。この映画のテーマがこれによっては
若尾文子様、美しい!おばあちゃんなのに可憐なのはどういうこと? これがあの雑な「北の零年」の監督の新作とは信じられない。 まー、撮影がリー・ピンビンだもんなー。最愛の撮影監督。 その官能的なカメラワークだけでうっとりしますよ。そりゃ。 でも。 やっぱ行定の作品としてはだいぶ変わったというか、丁寧になったよね。 私は気になっていちいち彼の作品を観ながら、毎度いまひとつと思いながら新作はまた見に行くという奇特な人間でして。 でも麻生久美子を二度も殺したから許せない。やっぱり。 多くの人が森田芳光の「それから」と比べたがると思う。 しかし、私はこちらをとる。何故か。 「それから」は観た後になんだかなあ、と思ったが、本作はそう思わなかった、それだけ。 森田芳光も、私にとっては行定同様、微妙な関係性をキープしてる監督です、はい。 若尾文子、岸田今日子、大楠道代のベテラン女優陣がかっこいい。 特に大楠
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熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。 期待しないで観たのが良かったのか、満足のできるものに仕上がっていた。 三島由紀夫の『豊穣の海』(四部完結)の第一部『春の海』の映画化である。 ここで登場する松枝侯爵家の子息・清顕(妻夫木聡)は、この後に続く『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』では別の人格へと転生し、清顕の親友である本多繁邦(高岡蒼佑)が終始かかわり執着してゆくことになる。 今回の映画化は第二部以降の映画化を見据えたものかどうかは知らないが、転生の印である清顕の脇腹の三つの「黒子」はしっかりと認められるし、『暁の寺』での清顕の生まれ変わり、「ジン・ジャン姫」のペンダントの写真も、学習院へ留学中のシャムの皇太子が未来(第三部)からのメッセンジャーの役割を果たして見せている。 このように、さりげなく第二部以降への布石も一
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