昔々あるところに9人の少年がいた。年齢も体格も性格も経験値もバラバラの9人。共通項は美しいということ、歌が歌えること、踊りが踊れること。一定条件を満たした彼らは、凸凹ながらにひとつのグループにまとめられた。各々が元々いたグループに後ろ髪を引かれながらも、彼らは全員で真っ白な衣装に身を包んで、眩い光を浴びた。未だ嘗てない程の数の視線に晒されながら、ここが自分がこれから生きる場所だと自覚した。そこには「希望」があった。それは彼らの明るい未来の象徴として、始まりの合図とされた。 目まぐるしい日々の中で、ある日1人の少年がグループを抜けた。9人は8人になった。彼は遺伝子レベルでとても歌が上手かった。グループの中でも歌唱力で先導する才能があったので、惜しまれながらグループを去った。後に彼の才能はロック界で発揮されることになろうとは、その時は知る由もなかった。8人になったグループは順調に足を進めた。歌