愛らしい顔と、小さな5つのタイヤが横に並ぶユニークな姿はどう見てもバスには見えない。「なんだこれ?」――。道行く人が思わず振り返る。一足先に貸切バスとして、11月1日から池袋駅周辺を運行していた東京都豊島区の電気自動車(EV)バス「IKEBUS(イケバス)」が、11月27日、池袋の主要スポットをつなぐ路線バスとしても運行を開始した。 当日は朝からあいにくの小雨模様だったが、豊島区の高野之夫区長はまったく気にする様子はない。運行開始に先立つセレモニーで、「イケバスは池袋の名物になる。全国から、いや全世界から注目されるのではないか」と、満面の笑顔で挨拶した。 朝8時半。この日も、池袋駅前を足早に歩くサラリーマンたちが、思わず足を止めて、不思議なバスをしげしげと眺めていた。この不思議なバスは、なぜ生まれたのだろうか。 乗って楽しい移動手段を イケバスの誕生までには節目となった出来事がいくつかある
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