きっかけは、交際相手とけんかして、憂さ晴らしに出た深夜のドライブだった。 車の前を、見知らぬ女性が一人で歩いていた。 〈楽しそうに見えた。自分の彼女の姿にダブり、急に腹が立ってきた〉 交際相手の借金を肩代わりし、返済のために働きづめだったが、その間も交際相手は飲み歩いている様子で、他の男性の影もあった。鬱憤(うっぷん)がたまっていた。 女性の後をつけ、襲った。 〈ドキドキしたが、簡単だった〉。以来、気持ちが行き詰まるたび、車で一人歩きの女性を狙った。 〈気分がすっきりした。またやってしまったという後悔、ばれないかという焦りもあったが、やめられなかった〉 犯行時、被害女性に思いを致すことはなかったという。 男は30歳代。2年余りで10人以上を襲った強姦(ごうかん)などの罪で起訴され、近畿地方の拘置施設にいる。犯行の経緯などを便せん21枚に記した手紙を、読売新聞に寄せた。 〈逮捕されて良かった