→紀伊國屋書店で購入 「患者の生き方と<ぶつかりあう>専門職」 著者の三井さよさんは、看護職を中心に対人援助に関わる人たちへの調査研究を行っている社会学者です。私と問題関心の持ち方が近く、大学院生時代から研究会仲間としてお付き合いさせていただいています。この本では、過去のインタヴューで語られた出来事で強く非常に印象に残ったものが取り上げられ、それについて考えたことが書かれています。文体としては、ケアに関する専門職(もしくはそれを志す人)にも読みやすいように、エッセーの体裁を整えていますが、その中に織り込まれる社会学的な概念については「コラム」の形で分離して解説されており、社会学から他の専門分野の人たちに発信する文章としての工夫の跡がうかがえます。 この本で紹介されるエピソードには、興味深いものがいくつも含まれています。彼女が出会った看護師たちは、いつでも患者の苦しみに近づき、寄り添おうとし