プロフィールバックナンバー カナダの心理学者、ブルース・アレグザンダーは、「ネズミの楽園(Rat Park)」という実験を行いました。 ネズミを、理想的な環境で育てられたものと、ケージ(かご)に閉じ込めて育てられたものの二つのグループに分け、それぞれにモルヒネ入りの水を与えた場合、どちらが依存症になりやすいか調べたのです。 それまでの実験では、ネズミなどの動物は、自分を傷つけたり、餓死したりするようなことがあっても、薬物そのものの魅力が強いために依存症になるのだと考えられていました。しかし、「ネズミの楽園」実験ではまず、動物は、環境が過酷であればあるほど薬物依存になるという仮説を立てたのです。 この仮説は結果的に立証されました。理想的環境で育てられたネズミはほとんどモルヒネに興味を示さなかったのに対し、閉じ込められた環境のネズミは簡単に中毒になりました。また、理想的環境に置かれたネ