金沢市の妙慶寺で見つかった「立山来迎仏」(写真左)と立山のみくりが池で発生したブロッケン現象(平成19年10月、富山市の小西孝司さん撮影) 江戸中期の享保10(1725)年に立山で発生したブロッケン現象を、極楽浄土から阿弥陀(あみだ)三尊が現れる「来迎(らいごう)」の姿として描いたとみられる掛け軸が、金沢市の妙慶寺で見つかった。掛け軸には、僧侶ら3人が立山の二ノ越に登り、絵のような来迎を拝んだと記す裏書きが残っている。3人の影と光の輪が浮かび上がった実際のブロッケン現象を、阿弥陀三尊やその光背とみて描いた可能性が高く、立山博物館は「ブロッケン現象と立山来迎信仰を、直接結びつける史料が確認されたのは初めて。非常に価値が高い」としている。 立山など高山ではいつの時代からか、光背を負った仏が姿を現すことがあるとされ、「御来迎」と呼ばれてきた。実際にはブロッケン現象が発生したとみる研究者が多く