内容: タイ国でこの夏一週間、 お寺に滞在し、 日本の北伝仏教とは異なる南伝仏教の修行を体験した塾卒業生がいる。 十三期曹洞の梶山全道師、 六十二歳。 工学博士で応用物理学会の事務局長を務める現役サラリーマンで、 塾を卒業した昨年、 福井県天龍寺で出家得度して僧侶になった。 坐禅をきっかけに仏教に関心をもってから二十五年余りになるが、 かねてから南伝仏教にも強い関心を持ち、 師匠の許可を受け、 職場の夏休みを利用して実地修行を実現させた。 出家者と在家者の関係、 戒のありよう、 瞑想の方法などを実際に体験見聞し、 「同じ仏教でもこんなに違うものか」 と、 驚くとともに、 「次はスリランカで」 と意欲を燃やしている。 梶山さんが坐禅を始めたのはまだ一般企業の研究員だったころ。 競争社会にあって、 こころの安らぎを求め、 軽い気持ちで坐禅会に参加した。 以来次第に熱中し、 転勤で住居が変わって