基調講演 件名標目表の可能性――目録とウェブの主題アクセスツールとなりうるか 上田 修一(慶應義塾大学文学部教授) 件名標目表をテーマに取り上げるのは今や国立国会図書館しかできないことのように思われます。 「主題探索」という話はどこでもやれることですが,テーマを「件名標目表」に限定した会議とい うのは, もはや持てないと思っていました。 国立国会図書館が件名標目表を改訂するということは, 停滞していた時期があっただけに大変喜ばしいことと思います。 日本では,60 年代から 70 年代が公共図書館の時代,80 年代が大学図書館の時代,90 年代は電子 図書館といわれていましたが,先ほど村上部長がおっしゃいましたように,2000 年代は,国立国会 図書館の攻勢の大変目立つ時代になってきているという感を強く持っております。お世辞でも何で もなく,大変結構なことだと思います。 1.件名目録の現