八戸市田向地区の館越山の麓にある「メドツが出るぞ」との看板が近日中に撤去されることが26日、関係者への取材で分かった。伝説の妖怪を利用して、近くの用水路での水難事故防止を訴える看板は、約40年間、地域の“名物”として住民に親しまれてきたが、危険の元となっていた用水路が埋め立てられるため、その役割を終える。住民からは「無くなるのは寂しい」と惜しむ声が聞かれた。 看板は縦80センチ、横1・2メートルほどで、「きけんだ! よるな近づくな メドツが出るぞ」と手書きされている。メドツとは、八戸地方の方言でカッパを意味し、人や馬を水中に引き込むとの言い伝えがある。 子どもの水難事故を防ごうと、吹上地区防犯協会と同地区青少年補導協議会(現在は青少年生活指導協議会)が、1976年7月に設置した。 かつて類家、田向地区には田んぼが広がっていたが、宅地造成で田んぼは姿を消し、用水路も不要に。管理する市港