米ハーバード大学医学部とマサチューセッツ総合病院の神経科学者であるビタリー・ナパドー氏。脳波を検査することで、脳がどのように痛みを感じるかを研究している。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) ダン・ウォルドリップ氏(49)は18年間、断続的に痛みを感じていた。健康だった27歳のとき、芝刈りをした翌朝、ベッドから起き上がれないほど腰がひどく痛んだ。その後は、調子の良いときが数週間続いたり、刺すような痛みや鈍痛に何日も襲われたりするなど、断続的な痛みに悩まされた。 カイロプラクティック、鍼(はり)治療、理学療法、鎮痛剤など多くの治療に何千ドルも費やした。南アフリカに出張した際には、わらにもすがる思いで、野外マーケットで「エナジーヒーラー」を雇ったこともあった。何をやっても効果がなかったため、ついにウォルドリップ氏は、自分は