【北京=坂尻顕吾】中国共産党系の機関紙は15日、いっせいに愛国主義を鼓舞する報道を始めた。今年10月に建国60年を迎えるにあたり、当局は全国で愛国主義教育を強める方針。改革開放による経済発展や国民生活の向上を訴え、共産党への求心力を高める狙いがうかがえる。 20年前の「4月15日」は胡耀邦元総書記の死去した日。胡氏に対する学生らの追悼集会が6月4日の天安門事件につながったこともあり、当局がこの時期に愛国主義キャンペーンを始めるのには、依然くすぶる民主化要求を抑え込む思惑もありそうだ。 人民日報はこの日、「愛国主義で時代の輝きを奮い起こせ」と題した社説を掲載。即日キャンペーンを始めると宣言した上で、「共産党がなければ新中国はなく、祖国の繁栄や富強はあり得なかった。社会主義こそが中国を救い、改革開放こそが中国を発展させる」と訴えた。 新華社通信によると、思想宣伝部門を担当する党中央宣伝部