「小説宝石」2007年6月号から2008年1月号まで連載し、2008年6月に単行本として上梓された。 JBpressのサイト上で私の著者インタビューが公開されているが、ごく短いものでもあり、今回から数回をかけて、『金色のゆりかご』で扱った「望まない妊娠」と「海外養子斡旋問題」について、あらためて考えてみたいと思う。 小説中には書き切れなかった情報も多くあるので、この機会に多くの皆さんに知っていただきたいと考えている。 ★ ★ ★ ★ それにしても、男性である私がなぜ「望まない妊娠」にことさら関心を抱いたのか。 そもそものきっかけは、私の不妊症だった。 「男性不妊という苦難」の回で繰り返し述べた通り、私は結婚4年目に精子減少症(乏精子症)であることが分かり、以後数年にわたって人工授精が行われた。 妻の排卵日に合わせて、私から採取した精子を妻の子宮内部に送り込むだけのご