大相撲時津風部屋の力士傷害致死事件で、死亡した時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名・斉藤俊(たかし)さん=の傷は全身約70カ所に及んでいたことが、愛知県警捜査本部の10日までの調べで分かった。斉藤さんはこの多数の外傷で肺水腫を起こし呼吸不全などでショック死したといい、昨年6月の2日間にわたる元親方、山本順一容疑者(57)や兄弟子の暴行の激しさを示している。 捜査本部によると、山本容疑者は調べに「ビール瓶で小突いたが、暴行は弟子たちが勝手にやったこと」と否認し、「やってやれ」と指示したとされることも「言ったかどうかはっきりしない」と供述。逮捕された兄弟子3人のうち2人は「制裁目的だった」と容疑を認めているという。 捜査本部によると、遺体の鑑定の結果、斉藤さんは顔面、肩、背中、腹、尻、太もも、ひざなどに計約70カ所の擦り傷、皮下出血、挫傷などがあり、肋骨(ろっこつ)の軟骨も折れていた。