要約:東洋人と西洋人では心理の傾向に違いがあることが確認されています。西洋人を対象として行われた心理学研究の成果を東洋人に当てはめるときには注意が必要になるのです。 ◆ 行動経済学や社会心理学の研究は面白い。企業セミナー、ハウツー本、学術書、YouTube動画などでもよく参照されている。 しかし、これらの研究は多くの場合、西洋人のみを対象として行われている。果たしてそのまま日本人(東洋人)にも当てはまるものだろうか? 当てはまらないというなら大変だ。あちこちでお門違いな知識がばらまかれ、見当違いな施策を誘発していることになる。 こうした疑問をもつことは度々あったのだが、ニスベットの本にはその問いへの応答が書いてあった。結論からいうと、西洋人と東洋人とでは行動様式に質的に大きな差があるという。 ニスベット 2004年 「東洋人と西洋人の違いは、われわれが実施したほぼすべての研究において見出さ