大阪府が所蔵する美術作品を長期間、地下駐車場に置くなどずさんに扱っていた問題で、府は2024年度当初予算案に劣化した美術品の修復事業費3128万円を計上した。府が設置した専門家チームは中間報告で、作品にはさびやほこりなど「保管環境が要因と思われる劣化があった」と指摘。作品の適切な活用・保全は所有者である府の責務だとして、十分な予算確保を求めていた。 作品は府がバブル期の新美術館構想の一環で収集した7885点のコレクションの一部。構想は後の財政難で白紙撤回され、作品も行き場を失った。毎日新聞は23年7月、このうち105点が17年から6年間、咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場にずさんな管理状態で置かれていると報道。作品はその後、府内の別施設に移された。