実験にのめり込んでいる理系の研究者の多くは、論文を書く機会が極めて少ない。そこが文系の研究者と違うところだ。文系であれば、論文を書き慣れているしトレーニングも積んでいる。どのように表現するのが適切かも理解しているから、この手の失敗は起こさない。 小保方さんの論文は、博士論文と画像が酷似している点が「捏造」とされたが、論文の作成で引用は決して珍しいことではない。広く行われていることだ。ただ、誰の何を引用したのかは、きっちりと明記しなければならない。そのルールさえ守っていれば、他人の研究を自分の研究に生かすことは許されている。むしろ、いろんな研究を踏まえて研究しなければ、新しい扉も開けない。小保方さんは、画像の引用が必要だったのなら、論文の中で説明すればよかったのだ。「改竄」と指摘された画像の切り張りについても同じである。加工した理由を明記していれば、何ら問題にならなかったはずだ。