2011年9月30日の朝、私はトガっていた。 その日のニュースは前日に発表されたSexy Zoneの結成・デビューで持ちきりだった。 勝利くんの「Sexy rose…」の囁きの直後に起こる、狂乱した女の子達の大絶叫。全身白スーツに身を包んだ年端もゆかぬ少年たち。 正直マジで意味が分からなかった。完全に「彼らはイカれています。 They are crazy. 」という感じで家を出た。 無理もない。 当時の私は中学生で、「ロックンロールしか信じてません」みたいな時代錯誤も甚だしいキレた子どもだったのだ。しかも哲学書と夏目漱石の小説が好きで太宰治が嫌いだった。好きな漫画までもが浦沢直樹のMONSTERだった。 もちろんアイドルはバチボコ馬鹿にしていた。特にジャニーズなどワケの分からなさがワケ分からなすぎて、「バカが見るもの」と決めつけてさえいた。 そう。あの日、ジャニーズは私から最も遠い存在だっ