2006年1月に開催されたソフトウェアテストシンポジウム in 東京(以下、「JaSST '06」と記す)では、アメリカからリック・クレイグ氏が招待され、基調講演が行われた。 クレイグ氏は、リスク分析を行い、リスクに基づいてテストの優先度を決める、という考え方を提唱した人である。 このリスクという指標は、テストケースやバグの重要性を評価する上で、たいへん分かりやすく、かつ有効である。リスクに基づいてテストを考えることは、今では当たり前になっている。実際、JaSST '06のテスティングライブやパネルディスカッションでも、リスクという言葉が盛んに使われていた。 これを見ると、クレイグ氏が提唱した手法は、日本で広く受け入れられているように思われるかもしれない。 だが、日本国内で使われているリスク分析と、クレイグ氏が提唱した本来のリスク分析には、大きな違いがあるように感じられる。 アメリカと日本