大相撲の八百長問題が発覚して2カ月。日本相撲協会の特別調査委員会は十両を中心とした力士23人を事実上角界から追放するなど、一定の成果を上げた。だが、なお約10人に疑惑は残ったままだ。幕内上位陣や過去を含めた疑惑の一掃にも至らなかった。文部科学省は協会に、本場所再開の条件として八百長の撲滅を求めており、調査委は解散せずに今後も調査を継続する方針だ。【篠原成行】 ◇調査は誤算続き 協会が警視庁から八百長をうかがわせるメールの資料の提供を受けたのは2月2日。同日発足した調査委の調査は誤算続きだった。 調査委は当初、46通のメールに名前が挙がった力士らを聴取すれば、ある程度は関与を認める力士が出てくると考えていた。だが、メールに名前が挙がった13人のうち、すぐに関与を認めたのは千代白鵬、春日錦=現竹縄親方、恵那司だけ。証言により関与が判明した力士は当初、霧の若1人だった。 調査委はこの14