2014年1月に故カール・ラガーフェルドは、シャネルのオートクチュール・コレクションを開いた。架空の「カンボン・クラブ」だという舞台設定で、カーラ・デルヴィーンを先頭にモデルたちは巨大階段を次々と流れるように下りた。管弦楽の演奏を背景に、モデルたちはきらきらと光る繊細なニットやツイード、透ける絹の薄布による創作を身にまとっていた。ここまでは、実にオートクチュールそのものだった。しかし、何かがふだんとは違った。何かと言うと、モデルたちの足元だ。(文中敬称略) シャネルのオートクチュール・ショーでラガーフェルドはモデルたちに、特注のスニーカーを履かせることで、スタイルを完成させた。一足の値段は推定3000ユーロ(現レートで約37万円)、完成に30時間かかるものだった。オートクチュールにスニーカーという組み合わせは当時、大勢を驚かせたものの、大胆な第一歩でもあった。
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