増え続ける人口、多様化する食生活、バイオ燃料ブーム…… 静かな食料の奪い合いが始まっています。 さらに気候変動によって自然環境が変わる中で、貧しい人たちは食料を確保できるのでしょうか。 食品の値上げから見えてきた、食料危機の可能性 突然始まった値上げラッシュ 2007年の秋頃から食品の値段が次々と上がっています。日本の食品メーカーが商品の価格を上げたのは十数年ぶりのこと。対象となったのは、食パン、ビール、醤油など、私たちにとって身近なものばかりです。この他にも、内容量を減らして値上げをしないよう踏みとどまっている“値上げ予備軍”が控えています。これらの商品には、小麦や大豆などの穀物から作られるという共通点があります。 日本の食料自給率は39%、家畜のエサになる飼料用を含む穀物の自給率はわずか27%と、穀物のほとんどを輸入に頼っています。そんな構造の中で、世界では原油価格の高騰によって輸送コ