日本航空の経営再建は「政府支援」の大号令こそ打ち出されたものの、具体策を確定できず混迷が続く。その中で日航との資本・業務提携をめぐる米航空大手アメリカン航空とデルタ航空の舌戦だけが激化している。 両陣営が表明した支援額はともに10億ドルを突破した。日航は近く、提携先を選定した上、助力を仰ぐ企業再生支援機構に報告。支援機構はこの提携も含む経営問題を評価して年明けにも支援の可否を決定するとみられる。 日航再建をめぐり、国内では日本政策投資銀行をはじめ、3メガバンクなどの取引金融機関が無条件での支援・債権放棄に難色を示す。金融機関だけではなく、2008年に優先株を引き受けた大手商社も「誠意ある再建策が出なかった」と冷ややかだ。 そんな日航に対して、なぜ、海外の航空2社は熱視線を注ぐのだろうか。 覇権争いのかなめ石 その答えは、日航が世界の航空連合の覇権争いを左右するかなめ石になっていたことにある