中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 問題解決のKFS(Key Factors of Success)のひとつは、「何を"問題"として定めるか」という、いわゆる「問題の定式化」にある。昨日、産能大の長岡先生らと議論していて、その話題になった。 長岡先生がよく引用なさる事例に、エイコフの著書「問題解決のアート」の中に掲載されている「エレベータの話」というのがある。少し長くなるが、下記に引用してみよう(一部筆者により加筆・修正)。 --- 話の舞台は、ある大きなオフィス・ビルである。 そのビルの支配人は、最近、「ビルに設置されたエレベーターの待ち時間が長い」と店子からクレームを受けることが多くなっていた。 何人かの店子は、 「エレベーターが改善されなければ