──青い空、紺碧のエーゲ海に浮かぶ島々、古代遺跡。 世界中から観光客を集めるギリシャ。 この南欧の小国の財政危機が、 世界経済を揺さぶっている。 この国はいかにして借金漬けになったのか。 再び世界同時不況の悪夢となるのか。── ギリシャが大揺れに揺れている。アテネ市内では、火炎瓶と催涙弾が飛び交い、国際金融市場では、ギリシャの財政赤字を震源とする経済大地震の予兆が各国政府当局者を震え上がらせている。 ギリシャ国会は、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の緊急融資を受けるための緊縮策関連法案を可決した。融資を受けなければ国家経済は破綻、半面、緊縮策を実行すれば国民生活は甚大な影響を受ける。 法案が可決された前日の5月5日には、アテネ市内の銀行に火炎瓶が投げ込まれ、3人が死亡する惨事も起きた。 欧州内でも豊かでない国民生活がさらに負担を強いられることに加え、“特権階級”とも言える公