「絶対再建できる」 陸前高田・酔仙酒造 Tweet おびただしい数の酒造タンクが、無残な姿でがれきの中に横たわっていた。土ぼこりに混じってかすかに漂う酒の香りがなければ、そこに酒蔵があったことは分からないほどだ。陸前高田市高田町の酔仙酒造。その年の酒造り終了を祝う行事のまさにその日、東日本大震災の大津波に襲われた。 「どうにもならない…」。壊滅した酒蔵の前で、営業部の和田浩之さん(46)がつぶやく。がれきの中に看板商品「雪っこ」の缶が埋まっていた。同僚の佐藤充夫さん(43)が、少しへこんだ缶を取り出し、静かにブロックの上に置いた。 同社は1944年、陸前高田市と大船渡市の造り酒屋8軒が一つになって誕生した。日本酒だけで年間約100万リットルを出荷。半数は北海道、首都圏など県外に流通し、中国にも進出している。 酒造りは通常10月から3月ごろまで。同社は県内で最も早く、お盆明けには雪っこを造