はじめに 新型コロナウィルスの流行を理由とした公演中止が相次いでいる。公演が中止になった場合,チケットを購入していたお客にはチケット代の払戻しをする一方,出演者側にはギャラを支払わないことが多いようである。 出演者側としては,チケット代の払戻しに応じている主催者に対してギャラを請求することもしにくい。しかし,突然公演が中止となり,代わりの公演が入れられるわけでもないことから,当てにしていたギャラが入らない,また現在の状態では今後の公演についても開催できるとは限らないため,今後の資金繰りの目処が立たない状態となる。 この問題については様々な場面で論じられているが,まず法律的にはどういう結論となるのか,また法律はともかく,どのような解決があり得るのかについて,あまり丁寧に書かれたものはないように思われる。 骨董通り法律事務所に在籍していたときは所内で交代でコラムを執筆し,事務所のウェブサイトに
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