カマシ・ワシントンの最新アルバム『Fearless Movement』は、これまでの延長線上にありつつ、明らかに趣が異なる作品でもある。愛する娘が生まれ、彼女と暮らす中で感じたことがインスピレーションになっていたり、概念としての「ダンスミュージック」をテーマにしていたりするのもそうだし、過去の作品にあったスケールの大きさやフィクション的な世界観とは違い、現実(≒生活)に根を下ろした視点から生まれた等身大で身近に感じられるサウンドになったようにも感じられる。 たとえば、これまでは壮大な世界観をクワイアやオーケストラと共に表現していたが、今回はほぼ自身のレギュラー・バンドで構成しており、外から加わっているのはほとんどがボーカリストやラッパーだ(カマシはこれまで、声にまつわる表現はバンドメンバーのパトリス・クィンに任せていた)。ここでは様々な声がそれぞれのメッセージを語っているのだが、その言葉か
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