ガイドラインの趣旨について 近年、新聞、映画、アート、出版、音楽その他多くの領域で、中国の人名・地名のカタカナ表記がなされるようになってきました。「フー・チンタオ(胡錦濤)」や「チャン・イーモウ(張芸謀)」といった表記も、今や私たちにとって馴染み深いものになりつつあります。 しかし、カタカナ表記の方法それ自体は必ずしも統一されていません。たとえば、今言った「張」姓ひとつとっても、メディア上には「チャン」と「ジャン」という二つの表記が並列しています。人名検索の際の不便を考えれば、こうした事態は決して望ましいものではありません。また、翻訳書においても、中国音のルビの単純なミスが散見されます。これもやはり望ましくありません。 とはいえ、この種の表記のバラつきやケアレスミスは、信頼に足る表記ガイドラインが誰にでもアクセスできる形で存在していれば、ほとんど未然に防げるものです。そこで今回、中国語研究