国境で警官から逃れ走る難民の少女や親子をカメラマンが蹴る映像が物議をかもしたのを覚えている方も多いかと思う。27日公開のハンガリー・ドイツ映画『ジュピターズ・ムーン』(原題: Jupiter holdja/英題; Jupiter’s Moon)はまさにその現場、ハンガリーのセルビア国境を舞台に始まる。難民や移民を拒絶するハンガリーの一員である自身にも批判の矛先を向けて撮ったというコーネル・ムンドルッツォ監督(42)に、東京でインタビューした。 『ジュピターズ・ムーン』より、難民少年アリアン役のゾンボル・ヤェーゲル 2017 © PROTON CINEMA - MATCH FACTORY PRODUCTIONS - KNM 舞台は、2015年のいわゆる「欧州難民危機」を挟んで多くの難民や移民が押し寄せるハンガリー。シリアの少年アリアン・ダシュニ(ゾンボル・ヤェーゲル、26)は、父ムラッドとセ