菅義偉首相は6日、「原爆の日」を迎えた広島市中区の平和記念公園であった平和記念式典のあいさつで「核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くします」などと誓う部分を読み飛ばした。 【76回目の原爆の日】 被爆者7団体の一つ、広島被爆者団体連絡会議事務局長の田中聡司さん(77)は「不勉強かつ不誠実。菅首相の基本的な姿勢が表れたのだと思う」と批判した。式典後にあった「被爆者代表から要望を聞く会」にも出席した田中さんは、核兵器禁止条約への参加に関する回答にも「正面から向き合って答えようという気持ちが感じられなかった」といい、「間違いや失敗は誰にでもあるが、あいさつはスローガンを並べているだけのように感じた。一生懸命考えて話そうという意識が抜けているのではないか」と指摘した。【小山美砂】