東京電力福島第1原発の放射能漏洩事故で、復旧作業員の大量被曝に備えた自家造血幹細胞の事前採取について、内閣府の原子力安全委員会が「不要」と判断していたことが2日、わかった。造血幹細胞は、被曝し、造血機能に障害が起きた際の治療に有効だとして、専門家らが事前採取の必要性を指摘している。安全委は原子力の安全規制を担当し、基準などを首相に助言する役割を担っているが、専門家からは「作業員の生命を軽んじている」との批判が出ている。 産経新聞が入手した安全委の内部文書によると、現時点で事前採取する必要がない理由として(1)作業員にさらなる精神的、身体的負担をかける(2)国際機関での合意がない(3)十分な国民の理解が得られていない-ことを挙げている。 造血幹細胞は血液中の細胞である白血球などの源となる細胞。骨髄などに存在する。全身に被曝した場合、血液の細胞をつくれなくなる障害が起きるが、あらかじめ自身の造