山口県下松市の花岡八幡宮にある、全長4・65メートル、重さ約75キロの日本刀「破邪の御太刀」が脚光を浴びている。動乱の幕末期に「攘夷論」が台頭した長州で、志士を後押しする住民らが奉納した。関係者は、今年が明治維新から150年の節目を迎えたのをきっかけに、より多くの参観者に見てもらいたいと期待する。 花岡八幡宮に伝わる記録によると、御太刀は欧米列強の波が押し寄せてきた1859年の式年祭に合わせ、住民らが「邪気を払い、平和な社会を築こう」との思いから、奉納したと伝わる。 この年は、幕府による「安政の大獄」の嵐が、長州にも吹き荒れた。 制作時には重さ約1トンもの砂鉄が使われた。鍛えた鉄を水に入れ、急激に冷やす「焼き入れ」の際には、近くの川をせき止めて作業をしたともいわれる。 下松市が1973(昭和48)年、有形文化財に指定した。 宝物殿で保管され、一般に公開されるのは秋の例祭など年に2回程度にす