好きな魚を聞かれたら、どう答えるだろう。 サンマ、マグロ、ブリ、アジ、イワシ、サケ、ヒラメ、ナマズ、コイ……わたしはこのあたりで詰まってしまう。世界には3万種類の魚類がいるというのに、もったいない話である。 とはいうものの、マイナーな魚がマイナーであるのには概ね理由があって、多くは記憶に残るほど味に特徴がなかったり、あるいは、珍しいけれども万人受けしなかったりするものである。 ――そんななかで、メジャーではないが、ビジュアルも味も孤高ともいえる存在感を放ち続ける魚がいる。 その名はアブラボウズ。深海魚の仲間として言及されることが多く、その愛のない名づけも相まって、おいしい魚というよりも珍しい魚という位置づけがされているのだけれども、まだ味わったことのない人は、ぜひ食べてみていただきたい。その味に驚き、また食べたいと思うはずである。 アブラボウズ=体の40%が脂肪=おいしい! アブラボウズ先
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