知ってますか? あなたの家の家紋―。バリエーションも含めれば2万種近くもあるといわれる日本独自の紋章「家紋」。戦国武将や有名大名のみならず、世界的に見て名字が非常に多い日本には大半の家に存在する。しかし、研究者によると、自分の家の家紋を知らない人が増え、このままでは一般社会から消えてしまう恐れもあるという。日本固有の文化に危機が迫っている。そもそも家紋とは何か。危機の原因は何なのか。 地図から消えた村 祟り恐れ、住民ら毎年墓参り 「家紋の発祥は平安後期とされます。まず、世襲する領地や財産ができ、ほかの家と区別するために名字が増えた。そして、公家の西園寺家が自分の乗る牛車がすぐわかるように印(巴紋)をつけた。これが公家の間で“流行った”わけです」 そう話すのはネットサイト「家紋ワールド」を運営する研究者で、日本家紋研究会理事の田中豊茂さん(66)=兵庫県丹波篠山市。田中さんに教えを請いながら