「現在の若者は何を考えているかわからない」と、オトナは言う。他人とぶつかることを避け、チームプレイよりは個人で楽しむ趣味に没頭し、パッと見は「真面目」で「優しい」。 けれど、実際のところは何を考えているのか、よくわからない。軸が見えない。感情が読めない。彼らはいったい、 “何者” なんだろう――と。だからこそ、「ゆとり世代」といった括りが時にレッテルとして機能しているのかもしれない。 しかし一方で、自分が “何者” かわかっていないのは、当の若者たちも同様だ。いわゆる「中二病」的な、思春期における自意識の肥大化はどの世代にも共通しているものだと思うけれど。 だが、今やそれが高二病、大二病、果ては社二病とまで言われるように、少年時代の行き場のない感情をどこかしら “引きずっている” ように見えなくもない。それゆえに、「自己肯定」や「承認欲求」といった言葉が、若者を論じるキーワードとして語られ