日本でフットボールといえば人それぞれだろうけど、アメリカ合衆国でフットボールといえば、基本アメリカンフットボール(以下アメフト)のことで、いわゆるサッカー*1やラグビーのことではない。 クリント・イーストウッドは、ベッカムを「ベックハム」と発音したくらいだからサッカーにも思いいれもないだろうし、『インビクタス/負けざる者たち』を見る限りラグビーにも強い思いいれがあるとは思えないし、ラグビーになじみがそうあるわけでないアメリカ国内の観客にむけて競技そのものはあっさり描かれていることが分かる(どうみてもオンサイドキックに見えるシーンもあったりするし。別にそうだとしても、ちっともこの映画の素晴らしさが損なわれないということに関しては「ライムスター宇多丸のライムシャッフル」で)。 そういえば、今年のアカデミー賞では『インビクタス』が作品賞にノミネートされなかったのに対し、これまた黒人フットボール選
ミンストレル・ショーという19世紀アメリカの大衆芸能をご存知だろうか。これは、焼きコルクで顔を黒塗りにした白人の芸人たちが、黒人の会話やユーモア、歌やダンスの物真似をするショーである。アメリカではそれまで大衆芸能といえば、ヨーロッパの伝統を引きずったものが主流を占めていたが、国産の芸能として登場したミンストレル・ショーが1840年代に人気を集め、その後半世紀にわたって最もポピュラーな娯楽として発展していくことになる。皮肉にもアメリカが抱える奴隷制度という問題が、オリジナルな大衆芸能を生みだす基盤となったわけだ。 このミンストレル・ショーは、アメリカの歴史のなかで実に様々な分野に多大な影響を及ぼしていく。このショーは、黒人に対して白人がいだくイメージの原型を作りあげ、それが皮肉なドラマを生みだすのだ。南北戦争で解放された黒人たちがショー・ビジネスの世界に進出してきたとき、彼らの多くは白人の社
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く