『21世紀の資本』で大ブレイク中のフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏(43歳)が疾風のごとく日本を駆け抜けた。1月29日朝にエールフランス機で成田に到着、3泊4日の滞在中に3カ所でのシンポジウムや日本記者クラブでの記者会見、各種メディアの単独インタビューなどを精力的にこなし、2月1日午後にはパリへトンボ返りという過密スケジュールだった。 話題の著書は世界十数カ国で発行され、700ページを超える学術書にもかかわらず累計150万部を突破した。日本語版も昨年末に発売された。1冊5940円で重さ約1キロ、厚さ約5センチの分厚い本がすでに13万部という、ある意味“異常な”ブームになっている。中身は何が書いてあるかというと、要は資本主義社会においては持てる者(富裕層)と持たざる者(貧困層)の経済的不平等(格差)が徐々に広がっていくのが必然で、このまま放置すれば「バルザックの時代のような」一部の裕福な