(上)事故が起きた京王線新宿駅3番線で列車待ちをする人の列(下)数秒後に到着列車が入線(事故と同じ月曜日、午後8時半の同じ時間帯で、事故から1週間後の8月30日撮影。折り返し始発の準特急の座席獲得競争に勝利するため、列車入線前から黄線の上で列車を待っている) 8月23日に京王線新宿駅ホームで、列車待ちをしていた男が立ち上がった際にふらつき、ぶつかられた男が列車とホームの隙間に頭から転落して死亡する事故が起き、大きく報道された。だが、マスコミ報道では全体像が見えない。国交省への情報公開請求に基づき入手した「運転事故等整理表」を分析すると、過去8年間の駅での人身事故4千件のうち、ぶつかられた人が転落して死亡したケースはなく、今回の事故は不運としか言いようのない低い確率だったことが分かった。危険なのは飲酒で、転落による死傷者計400人のうち151人(38%)が酩酊状態。うち56人が死亡していた。