インド洋に浮かぶ島国スリランカ。その主要な港や周辺の土地を、中国の国有企業が借り上げることになった。期間は99年間。似た例は周辺各国でも相次ぐ。帝国主義の時代、日本や欧州の列強に租借地を供出させられた中国が1世紀を経た今、反対の動きをしているかのように見える。 スリランカ最大の都市コロンボの海沿いを埋め立て、国際金融センターをつくろうという「コロンボ・ポート・シティー(CPC)」プロジェクト。開発を一手に担う中国の国有企業「中国港湾(CHEC)」の子会社の事務所は、英領時代の歴史的建造物「旧中央銀行」の上層階にある。 取材に応じた営業担当幹部リャン・ゾウ・ミン氏が言った。「我々が投資しなければ、何の価値もない海だった。ただ魚がいるだけ。そこを埋め立て、都市をつくる。14億ドル(約1600億円)の資金も用意する。すべてこちらの負担だ。スリランカ政府単独ではできない」 力関係はスリランカ政府と