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なるほど、ただの評伝ではなかった。小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞し、9月11日に小学館から出版される「ゆめいらんかね やしきたかじん伝」のことだ。 著者は大阪在住のフリージャーナリスト、角岡伸彦氏。自身が被差別部落出身であることを公表し、単行本ではデビュー作「被差別部落の青春」(1999年、講談社)から、2011年に講談社ノンフィクション賞を受賞した「カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀」まで、足元からの目線で一貫して『差別』と向き合ってきた。その角岡氏が初めて芸能人を描いた。なぜ今回は、『やしきたかじん』だったのか‐。その内容は期待にたがわず、タブー視されてきたカリスマの“出自”に踏み込んだものだった。 角岡氏は89年から93年まで神戸新聞社に在籍。姫路支社の記者から神戸本社の整理部に異動して見出しやレイアウトを担当しつつ、音楽に魅せられてアパルトヘイト廃止後の南アフリカを
「『嫌中憎韓』本とヘイトスピーチ――出版物の『製造者責任』を考える」をテーマに7月4日、東京都内でシンポジウムが開かれた。 ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会(以下、反ヘイト出版会)と日本出版労働組合連合会(以下、出版労連)の共催で、当日は110名が参加。会場には立ち見の姿もあった。 メイン企画として講演を行なった加藤直樹氏は、今年3月に『九月、東京の路上で』(ころから)を上梓した。1923年の関東大震災時に朝鮮人や中国人が虐殺された現場などを丹念に取材・調査した労作で、現在3刷、1万部を超える売れ行きを見せている。 加藤氏は、韓国の大型書店ではベストセラーなどの書棚に、いわゆる「反日」的な書名がほとんど見当たらないことなどをスライドを交えて紹介。日本の現状と比較して、参加者からも「恥ずかしい」といった声があがった。 質疑応答では書店員・元週刊誌編集長・新聞記者・フ
茨城、東京、千葉、埼玉などの古書店22店が協力し、約30万冊を扱う店舗「つちうら古書倶楽部」を31日、茨城県土浦市のJR土浦駅近くにオープンさせる。 同市の古書店主が同業者に呼びかけ、賛同する店が集まった。 店舗面積は約800平方メートル。絶版本や希少本を扱う旧来の古書店では関東最大級の広さといい、東京都古書籍商業協同組合(千代田区)は「古書店がこれほど多く集まり常設店を開く例は聞いたことがない」としている。 今回の“呼びかけ人”で、同店店長を務める土浦市の古書店主・佐々木嘉弘さん(58)は「古書との出会いを通じ、活字の楽しさを知ってもらう場にしたい」と話す。 佐々木さんは2010年から同駅前のビル3階の約100平方メートルのスペースで、約5万冊を扱う古書店を経営。そのビルから2月で立ち退きを求められ、跡に市役所が入ることが決まった。約10年前から、他の古書店を募って広いスペースで古書を扱
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