権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら、著作権を侵害している漫画や写真、論文などをダウンロードすることを全面的に違法とする法改正案を22日午前、自民党部会が了承した。市民の日常的なネット利用が萎縮することなどを懸念し、著作権の専門家などから異論が噴出。SNS上でも疑問の声が渦巻くなか、議論の舞台は国会に移る。なぜ、誰がこの法改正を望んだのか。 「(海賊版)対策として、やれることは何でもやってほしいというのが我々の要望するところだが、『悪質なものに対して』というのが大前提だ」 出版大手・講談社の野間省伸社長が21日、決算報告会でこの問題に言及した。法改正によって、表現の自由と作者の創作意欲が阻害されることがあってはならないとして「違法化のためのハードルはあればあるほど良いと思っている」と述べた。違法となる行為の範囲が広がりすぎることに懸念を示した形の発言だ。 だが、漫画の海賊