2015年9月 概要 当社は、二酸化炭素を80%のファラデー効率(注1)でエチレングリコールに変換する分子触媒を開発しました。本分子触媒は、太陽光エネルギーを使用して、二酸化炭素と水を炭素化合物に変換する人工光合成向けに開発したものです。本技術は、英国王立化学会の査読論文誌Physical Chemistry Chemical Physicsの電子版に掲載されました。 開発の背景 近年、二酸化炭素の大気中濃度は上昇を続けており、地球温暖化の一因と推測されています(注2)。また、化石燃料の枯渇も懸念されており、再生可能エネルギーの活用が望まれています(注3)。このような背景から、地球温暖化と化石燃料の枯渇の両者を解決できる技術として、人工光合成技術の開発が国内外で進められています。 これまで人工光合成技術として報告されてきたものの多くは、二酸化炭素を一酸化炭素やギ酸などの2電子還元物質(注4