短期集中連載:ハリルホジッチの遺産 第3回 4月9日、日本代表監督を解任されたヴァイッド・ハリルホジッチは日本サッカーに何を残したのか? W杯開幕前にあらためて考えてみたい。第3回はこの解任劇が日本サッカーの未来を考えれば正しい選択とは言いがたい、と主張する結城康平氏が登場。テーマは、代表監督の「解任基準」とは何なのかだ。 理解されなかった、ハリルホジッチの戦術的長所 相手チームを地道に分析して、罠に追い込む。ハリルホジッチの戦術的意図は複雑ゆえにわかりにくく、万人受けするスタイルではなかった。しかし、90分という試合全体をコントロールする組み立てにおいて、彼の能力が傑出していたのは事実だ。アジアを出れば大半のチームが格上という状況を考慮すれば、日本代表のサポーターも期待のレベルを明確化しなければならない。 彼の戦術的長所は、アルジェリア代表時代から変わらない「多様な戦術的パターンの使い分