江戸時代から現代に至る書物を扱う「古書肆(しょし)紀国堂」が5月1日、和歌山市築港にある喫茶店水茶都の2階に開店した。開いたのは絵ハガキ・古写真を収集する同市の溝端佳則さん(56)。郷土史はじめ歴史関連の古書が豊富で、約20年かけ集めた和歌山の絵ハガキなど約1万5000枚も見ることができる。「古書店の数は文化のバロメーター。和歌山にはほとんど無くなり、自分が引き継ぐべきと思った」と意気込んでいる。 階段を上がると、所狭しと並ぶ棚に書物がぎっしり。全国チェーンの新古書店が扱う出版年数の浅い本より、昭和に出版された本が大半を占める。約4000冊に及び、紀州藩編さんの地誌『紀伊続風土記』の元版、『南龍公御事略』『岩瀬広隆翁略伝』といった紀州藩関連の古書、『内海町郷土誌』『牟婁風土記』などの地域史も数多い。また入手が困難な鷺の森別院の土地台帳、『新宮藩史』のほか、明治維新後の役所、和歌山藩を示す和