証券会社は情報産業だ。顧客にお金を預けさせるには説得力のある資料が不可欠。証券界のガリバー野村證券で、当時の社長に「営業の鑑」と言わしめた最年少役員の武器は、驚異的データと顧客発言を記録した備忘ノートだった。 顧客に刺さる数字・データを盛り込む 野村證券時代、43歳の若さで最年少役員に大抜擢された津田晃氏。顧客の望む株式銘柄をずばりと推奨するなど資料づくりの提案力がずば抜けていたのだ。津田氏は語る。 「なぜ、その株式の銘柄をお勧めするのか。説得力を持たせるには的確な数字・データを盛り込むことが重要です。いくら口で熱く語っても、裏付けがなければ顧客の心を動かすことはできません」 数字に強いことが、証券会社のみならず企業で役員になる必要条件だ、と津田氏。 例えば、推奨銘柄企業の決算報告書や有価証券報告書といったIR資料、さらに官庁発表の調査報告書など、複数の統計データを随時把握する。そうするこ
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