パナソニックは、今期の決算予測を大幅に下方修正、大赤字である事を発表した。一時期、中村改革として絶賛されたが、中村相談役が決断した巨額投資の負の遺産に悩まされている。 パナソニックの内実 パナソニックは、前期の巨額の赤字に加えて、今期の赤字予想により、財務体質が危機的状況にある事が市場で意識されている。日経新聞2012年12月11日から始まる連載で、その内実が描かれているので、見てみよう。 パナソニック本社で経営陣のやりとり 「本当にこんな会計処理をしなければいけないのか…」。10月下旬、大阪門真市のパナソニック本社ビル。最高財務責任者(CFO)常務の河合英明(58)は何度も自問した。だが迷っている時間はない。 A4用紙にして5枚の経理報告書を携え、2階にある「報告会議室」に向かった。待ち受ける社長の津賀一宏(56)に祈るような気持ちで報告書を差し出した。津賀の顔がみるみる赤みを帯びるのが